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東京都中央区月島の着付け教室『きものスマイル秋桜-cosmos-』主宰の梶原淳子です。銀座から地下鉄で5分、東京メトロ有楽町線・都営大江戸線の月島駅より徒歩3分の自宅個人教室で笑顔になれる優しい着付けレッスンをしています☺
目次
レナウン倒産は、着物業界を含め、アパレル業界全体のコロナ影響の序章か
【2020年5月21日】
こんにちは。
昨日のニュースでご存知の方も多いかと思いますが、5月15日、アパレルメーカー大手のレナウンが民事再生手続き開始の決定を東京地方裁判所より受けたそうです。要するに、倒産。
昨年より業績は悪化していたみたいですが、コロナの影響で追い打ちをかけられ、そして緊急事態宣言による休業等により、とどめを刺されたそうです。
デパートに入っている店舗は、もはや大打撃を受けるどころではなく、壊滅的な影響をうけています。
レナウンだけではなく、大手でいうと、キャスキッドソンジャパンも4月に倒産、
そして、着物業界にも衝撃が走りました。
あの、リサイクル着物大手の「たんす屋」の運営会社、東京山喜も、4月20日に東京地裁に民事再生法の適用申請をしました。倒産です。
高級ブランド、
着物、
人が生きていくだけのためなら、華美な装飾は、不要…?
レナウンの倒産は、
アパレル業界のコロナ影響の序章であり、
これからが歯を食いしばって乗り越えなければならない本章の試練がやってくる…ということでしょうか?
5月11日時点、
倒産会社は、
1、宿泊業 29社
2、飲食業 19社
3、アパレル関連業 13社
だそうです。
長い歴史を持つ着物文化は淘汰されるか
着物小売りも、アパレル業界です。
でも、
着物は、アパレル業界でもあり、
また、日本の伝統文化の側面もあります。
コロナ明けも、
今年は、
いや、来年、そして再来年と、
しばらくは沈んでいく業界になるのでしょうか。
長い歴史を持っていた着物文化は、
必要ないって、淘汰されてしまうのでしょうか。
色んな変化に順応していき、生き続けてきた着物文化
1923年、関東大震災の時、
逃げ惑う際に、着物の袖が物にひっかかって助かるはずだったのが助からなかったり、裾で転んだり、動きづらかったりで、命を落とす女性が多くいたそうです。その本人どころが、他人にも迷惑をかけたそう…。
その時、和服ではなく洋服に変えるよう、世の中の流れが変わっていったそうです。
なので、洋服も取り入れられましたが、でも結局、着物は健在で、「昭和モダン」と呼ばれる大胆な柄ゆきなどが流行したりもしました。ファッションを楽しんでいた時期がありました。
しかし、
世界恐慌、満州事変、そして日中戦争、太平洋戦争と、暗い時代に突入していき、和服はモンペ姿と変貌しました。
このあたりの歴史はみなさんもご存知の通りです。
でも、戦後、モンペからどう変わったか。
やはりきものは動きづらい、戦争ではっきりわかった、
きものが完成されたのは徳川時代、今、生活や美の考え方、そして女性の生き方(家の中で閉じこもっているだけではなく、外へ出る)も変わったんだから、着物というかたちをそのまま現代まで続けるのはどうだろうか、という考え方が生まれてきました。
よって、
洋装化が増し、和装から離れていく若者が増えてきました。
追い打ちをかけるように、
1970年以降、生糸価格の高騰などの影響により生産量が減少し、それによって減じた収益を補填しようと利幅の大きい高額商品に生産が集中し、着物は高級品・高付加価値化が進みました。フォーマルウェアとして位置づけし、業界は必要以上に着物に高い値をつけ、着物は「ハレの日」用の礼装用着物・高級品として売られていきました。
1970年、80年、90年代と。ずっと。
着物といえば「礼装の高級品」
というイメージになり、戦前の普段着物、カジュアルな着物、日常で着ていた着物というものから縁遠くなりました。
着物は、多くの一般庶民にとって、手の届かないものとなっていったのです。
しかし、
これもこれで、文化です。
礼装着物文化がこの年代に発達したのは事実です。
残念ながら、「着物ばなれ」が進行しましたが。
そして現在。令和2年。
ここ10年くらいで随分業界自体も見直され、ここ数年はカジュアルな着物の販売にシフトしてきました。リサイクル着物が流行してきて、着物に対する認識も変わっていった。
リサイクル着物ブームですね。
これも、着物文化です。
モダン着物の復活、カジュアル着物文化の到来です。
着物の敷居は随分低くなりました。日常まで下りてきてくれたのです。
着物は、より身近になり、そして新しい形の着物文化が発達しました。レースの半衿や帯、大胆な着こなし、ハイヒールに着物、自由に着物ファッションを楽しむ人が増えました。
こうやって、着物は、
江戸時代が終わっても、紆余曲折を経て、
世界経済、情勢、戦争、時代の価値観・考え方の影響を受けながら、
浮き沈みを経験しながらも、
色んな存在価値で、色んなありかたで、
その文化を継続させてきました。
何度も、着物文化は危機を乗り越えてきたのです。
危機と言ったら語弊があるかもしれませんね…、
色んな変化に順応していき、生き続けてきたのです。
こちらの表現のほうがいいです。
コロナ明けの着物文化は変わる?
現在、着物を着るということも、着物を売るということも、どちらも活気づいていませんが、長い歴史を持つこの着物文化は、
私は、
コロナ明けに
新しい形で、変わっていくかもしれないな…と、
少々思ったりしています。
今、着物文化の大きな転換期にあるのではないかなと思っています。
インバウンドへの依存、生産、販売体制、小売りのあり方、着付け教室のあり方など、いろいろありますが、特に着物小売り業界の販売の仕方については、大きな変化が表れてくるのではないかと思っています。
売る方も、
そして作る方も着る方も、
今、着物のありかたを真剣に考えていて、
コロナ明けに、
何か、今までと異なる、
新しい形が出てくるのではないかなと思ったりしています。
それを総称して「文化」と言ってしまっていいものかわかりませんが、
そもそも具体的にどうなるかというのを私がここではっきり説明もできないのですが、
とにかく、
今回
なにか、変化が起きると思っています。
そして、そんな中でも
着物文化は、かたちを変えて続いていく、
そう、思っています。
どんな販売の方法になるのか、
どのような価値観でみんなは着物を着ていくのか。
(もしかしたら、
まったく変わらず、
ただの私の妄想に終わるかもしれません…。)
今、世界は未曾有の経済状況、
今後の「きもののあり方」を私も自ら考え、
そして、世の中の着物に対する捉え方も注視していきたいと思っています。
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