着物を着るということは、「静止画」ではなく「動画」

『着物って楽しい!』
~ 生徒さまに、寄り添って ~
東京都中央区月島の個人着付け教室『きものスマイル秋桜-cosmos-』主宰の梶原淳子です。銀座から地下鉄で3分、東京メトロ有楽町線・都営大江戸線の月島駅より徒歩3分の個人教室で、コミュニケーションを大切にした、じっくり丁寧なマンツーマンレッスンをしています☺

ピンと張りつめた弦からは、綺麗な音色は出ません。

【2023年6月18日】

昨日、アメブロを読んでいたら、
大阪の着付け講師の方(とても有名な方)が
着物を着るということは静止画ではなく
私たちは動いているのだから、
止まってじっと着姿を見続けることはないのだから、
着てお出かけするのに、そんなに
「細かいこと」は気にしなくてもいい、
他人はそれほど自分を見ていない。
というようなことを文章でおっしゃっていました。

まったくその通りだとおもいました。

写真撮影目的でなく、
普段着物として着ているのならば、
わたしたちは動いているんですよね。
そう、そうなんです。
静止画ではないんです。動画なのです。

「静止画ではない」
まさに的を射た表現です。

とかく雑誌やSNSの着物モデルさんのような
美しい、完璧な着付けを求める方がいらっしゃいます。
モデルさんの着物姿は
プロの着付師の手が入っていますので綺麗です。

そもそも自装は他装と違って
自分の肩関節を動かしながら着付けをしているので
他装のように(モデルさんは棒立ち、直立不動、肩関節も動かしていない)
動かない人相手に着付けるのと
まーーったく状況が違く、自装のほうが
そりゃ仕上がりが劣るのは当然です。笑

さらに、
我々は決して写真撮影に行くのではありませんので、
お出かけしたりレストランへ行ったりするのに
雑誌モデル並みの美しい着付けを求める必要って
あるのかなと思ったりします。

どうしても完璧にしわをとりたい、
おはしょりの右脇を完璧に綺麗に処理したい、
衿合わせをミリのずれもなく対称に合わせたい、

「こうでなければならない」という姿に
がんじがらめになって、
そこから抜け出せない感じで
着付けにはげむのは、
ご自身が苦しくないのかな~と思ったりします。
(幼いころから母親に、着姿とはこういうものだと言われ続けているとか
家族の影響、見ている雑誌の影響がとても大きいです。
あと、昔から着付師に着付けられている経験が多い方とか

ま、いいんですけどね。
ご本人がそうじゃないと満足しないというのなら。

でも、
結局、家を出れば動くでしょ?笑
歩けば着物も動きますよ。
自分はその時の姿を鏡で見ていないから、
わからないのですよね。
これは空想の話ですが、
いつも自分の横にいる「全身鏡ちゃん」がいるとしたら、
ご自身の歩き姿、階段の昇り降りの姿、
レストランでの所作を「全身鏡ちゃん」を通して見てみると、
愕然とすることが、あるかもしれませんよ。
でも、
空想の「全身鏡ちゃん」がいない現実は
自分では見れていないので
ただ、
気づいていないだけなんです。

着付け中は、ある意味「静止画」の世界にいるので
鏡が目の前にあるので、気になっているだけで、
鏡がない状況では
ご自身がご自身の姿を確認できない状況では
びっくりするお姿になっていますよ。
それでも、完璧な着姿を目指しますか?

それより、
私は、
きれいな所作を心掛けるとか、
笑顔を大事にして着物姿に似合う表情をつくるとか、
そして、足袋、
(※これ大変重要!!!!)
綺麗で清潔な足袋をいつも履くとか、
そういうところに注力したほうがいいのではないかなと思ったりします。
完璧な着姿に力を注ぐ余裕があるのなら。笑

結局、美しい着姿って
何なんでしょう。

魅力的な着姿って何なんでしょう。

茶道をやっている人も
その、美しい着姿って
なんなんでしょう。

そもそも美しさをどこまで求めますか?
着心地の良さという重要ポイントも、
ありますよ。

ピンと張りつめた弦からは
綺麗な音色は出ません。
適度の緩みがあったほうが
美しい音色が響くのです。

着物着付けも、
そういった感じでやっていくと
本当の、芯からの美が
見えて来るのではないでしょうか。

あくまでも
私個人の考えですよ。
押しつけなんてしません。
ただの主張です。

みなさんが
このブログをお読みいただいことを機に、
美しい着物姿について考える時間が
3分でもできたら、幸いに存じます🍀

 

東京都中央区月島の個人着付け教室『きものスマイル秋桜-cosmos-』
🌸着付け教室:マンツーマンレッスン基礎コース(7回)など
🌸移動着付け教室/ご自宅訪問レッスン:全国・関東どこでもご自宅へ出張レッスン
🌸出張着付け:銀座・月島・晴海・勝どき・豊洲など東京、国内、海外より承っています。
🌸お気軽にお問い合わせください☺ 

レッスン&サービス詳細は
☟以下のサイトをご覧ください

◆着付け教室
◆移動着付け教室/ご自宅訪問レッスン
◆出張着付け
◆よみがえれ・お着物プロジェクト

The following two tabs change content below.
『生徒様、お客様一人一人に寄り添って』着付講師・着付師(一級着付講師資格免許状取得)|東京都中央区月島駅徒歩3分のマンツーマン指導個人着付け教室、代表

関連記事

  1. 「人の着姿を見て、まず最初にどこを見ますか?」

  2. MIZUHOさんのコットンパール帯留めを購入しました!

  3. 男性用浴衣に合わせる履き物、小物、肌着

  4. 信長の衣装がかっこいい!NHK大河ドラマ『麒麟がくる』

  5. 首回りが一切窮屈でない!着心地抜群!和裁士さんの神寸法による…

  6. 男性用浴衣と帯の組み合わせのポイント