~ 生徒さまに、寄り添って ~
東京都中央区月島の着付け教室『きものスマイル秋桜-cosmos-』主宰の梶原淳子です。銀座から地下鉄で3分、東京メトロ有楽町線・都営大江戸線の月島駅より徒歩3分の個人教室で、コミュニケーションを大切にした、じっくり丁寧なマンツーマンレッスンをしています☺
目次
なんだか、リアリティーがない
こんにちは。
最近、NHKの大河ドラマ『麒麟が来る』にはまっています。
どんどん面白くなっていきますね。
2020年6月7日、一昨日でいったんストップとなり、
残念ですが、
撮影再開後の放映再開を楽しみに待ちたいですね。
こちらのドラマ、
俳優、女優さんたちの演技が素晴らしい!
そして、衣裳も素敵!
黒澤和子さんが衣裳デザインを担当、
本当にセンスがよく、
着物を見ているだけでこのドラマは楽しいです!
ちなみにこのドラマの衣裳についても
ブログを書いていますので、
よろしければご覧ください。こちらをクリック☞NHK大河ドラマ『麒麟がくる』鮮やかな衣装の着物
ところで、
ちょっと思ったことがあるのですが・・・
『麒麟が来る』のみならず、
最近の時代劇 は
(最近だけではないかもしれませんが)
庶民の着姿が
きれいすぎる
と思いませんか…?
(あれ?わたしだけ?…)
衣裳は当時の、その時代をかなり近く再現したものとなっているんだと思いますし、劇中の状況によって衣裳の「汚れ」や「すたれ感」も、プロの手によってリアルに表現されて作りこまれていると思うんですが、
あれ?
なんだか、
着姿がきれいすぎる・・・
『麒麟が来る』も、庶民の着物は、劣化とか、汚れとか、質とかがリアルに表現されているんですけど、きれ~いに着付けされてあるんですよね。衿元の中心線はバッチリそろってあるし、白い半衿が決まりすぎている。
しかも騎乗でめちゃめちゃ走り飛ばしているシーンとかで、乗っている人の着物の衿もとが、バッチリ美しい衿合わせになっている。左右対称、ずれがない。
えー、こんなこと、あり得ない…泣
なので、
こんなにきれいだと、
なんだか、リアリティーがない・・・。
なぜ私はそんなことを思い始めたかというと、
以前ブログでも書きましたが、
2020年4月に民放テレビで放映されていた、映画、
『時をかける少女』(1983年製作) 故・大林宣彦監督作品
の、
”とあるシーン”
を見たとき、
衝撃を受けたからなんです。
すっごいリアルな着付け姿だったんです。
私が衝撃を受けたシーンはこちらです。
おばあさんの着姿です。
着物を習っている方、着付け講師の方などは
見てすぐお気づきかと思うのですが、
とっても緩く、
言葉は悪いのですが、
くしゃくしゃに着付けられているのです。
よくドラマとかである「しっかり、きっかり、綺麗に」、
は、
着付けられていないんです。
(演出だと思いますが)
シワを作り、いかにもこの年代のお婆さんが一人で着付けた、という感じの着付け方です。
しかも、この役どころは傷心の(おそらく、ある程度良いお家柄の)お婆さんだったのですが、
衣裳でも、それが表現されていて、
言葉で伝わらなくても、
目で観てお婆さんの心情が伝わりました。
だから、このシーンは、
映画ではなく、
現実にある1つのリアルな場面を見ているようでした。
頭をガツンとやられました。
着物姿を表現するって、
こういうことなんじゃないかな…?
って。
※ この着物姿については2020年4月18日にブログでも書いていますので、
よろしければご覧ください。こちらをクリック☞大林宣彦監督『時をかける少女』・老女の着付け姿に衝撃
誰がどのように着物を着るかという想像力を持つ大切さ
なので、
偉そうに申し上げるのは身の程知らずで大変申し訳ないのですが、
もっと、ドラマとか映画の劇中で、
リアルな着物の「着姿」をみたいな~
と思っています。
将軍はもちろん、武家の人たちには、着付けをする担当する女中などがいたと思うので、衿元も帯も、ピシっと着付けてもらっていたかもしれませんが、庶民や町人、農民は、たぶん自分で着付けていたと思うんです。しかもそれぞれが違う(と思う)。だから、庶民が、衿元も中心線ばっちりそろえて左右対称の衿合わせとか、していなかったと思います。そんな堅苦しい着付けというか、システマティックな着付けは存在していなかったと思います。(今、着付け学院とかで指導されているビシっとした着付け姿とか(笑))
ならば、どんな着付けが当時されていたのか。
それを表現してこそ、
時代劇の衣裳のリアリティーだと思うんです。
ワクワクするような、
「やっぱ、そう着るよね?」と思わせる、
現実に引き込まれるような
リアルな着付け姿が表現される時代劇に、
今後大いに期待し、
それを望みたいと思います…!
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